Vol.02

 油圧プレス

油圧プレスとは?

ジャポニスムの眼鏡フレームの中でも安定した人気を誇る「油圧プレス」についてご紹介します。
もともと「油圧プレス」とは、メガネ生産だけに使われている技工名ではなく、ごく一般的な加工技法のことなのですが、ジャポニスムでは、この技巧で加工したフレームを、「油圧」や「油圧プレス」などという呼び名で読び、2002年頃から油圧プレスで加工されたモデルを発表しています。

この技法は、アセテート生地を機械にセットした金型にはさみ、何トンもの圧をかけながら材料を押し、金型と同じ形状を作り出す技法でして、時間と力加減をコントロールすることにより、独特の造形を形成することが可能であります。

大きな特徴は、何と言ってもメリハリのある立体的なデザインを、一枚のアセテート生地から作り出せること。通常は2~3枚のアセテート生地を張り合わせ、余分なところは削って形成していきますが、この油圧プレスを使えば、つなぎ目のない一つの素材から形成でき、アセテート生地の柄をそのまま活かしたデザインが可能となるのです。

下の写真にある一枚のアセテート板(写真下部 厚さ6mm)を、通常のプレス加工よりも長い時間をかけ、熱と圧力を使い立体的に引き伸ばします。プレスされ出来上がったフレーム(写真上)の途切れのない色や柄が、1枚のアセテート生地からできているということが、この写真からもわかると思います。

素材を引き伸ばすとどうしても部分的に薄くなり弱くってしまいます。その対策として、体積計算をし引き伸ばした薄いところに素材を寄せ集め、強度的なウィークポイントを作らぬよう、中身の密度もきちんとコントロールしています。

油圧プレスができる工場は鯖江にいくつかありますが、ここまでの立体感を表現できるのは日本でたった一つの工場だけ。ジャポニスムの歴代の油圧フレームはすべて、この貴重な技術を使い作られています。

しかし残念ながら門外不出の技術のため、現在まで弊社デザイナーも現場には立ち会ったことがありません。したがって制作途中の作業風景はお見せすることができませんが、こうした工程を踏んで油圧プレスのフレームは作られていきます。

過去の油圧プレスモデル

JN-401

JN-441

JN-481

こちらの3品番は特に人気が高かったモデル、この他にも様々なフレームを油圧プレスでデザインしてきました。

こうして作り出してきた油圧プレスによるデザインは、ブランドの代名詞的存在でもあります。

そして20周年を記念し、油圧の新型を今秋発表します。

数年ぶりに発表される油圧モデル「JN-592」は、上にあげた人気モデル3品番の系譜を感じるデザインにまとめています。特徴な立体的なデザインを活かしつつも、そこに現代的な視点を取り入れ、よりスッキリとしたデザインに仕上げました。もちろん装着時の掛け心地の良さも考慮し、顔幅が大きい方でも掛けやすい寸法で設計されています。

フロント形状を確認するプロトタイプの製作には3Dプリンタを使用しています。コンピューターで作成した3Dデータを元に、自社内でモックアップを出力しました。

今までのファーストサンプルはほぼ手作りで作られていたため、作製には約1か月ほどの時間がかかっていましたが、このように3Dプリンターを使えるようになり、その作業も約半日ほどとなりました。そのため、早い段階でのサンプル確認が可能になり、その後のデザインや機構の問題の確認も容易となっています。以前にも増して、細やかなところにまで目を配らせることができるようになっています。

2016AW新型JN-592
この他につや消しの黒があり、全部で5カラーのラインナップ
あまり社外にお見せすることのない、3Dによるモックアップ。これはあくまでもデザインや機構を確認するものです。

デザイナーによるスケッチ。イメージを掻き立てるため、未だにノートへ書き込みます。デジタル化した時代でもこうした手作業の部分を大事にしています。

未だに人気の衰えない油圧プレスシリーズの新型JN-592は秋のiOFT2016にて発表します。ぜひお楽しみに。