人に寄り添ったプロダクトのデザインを求め、鯖江に辿り着いたデザイナー
狩山晃輔にインタビュー

簡単な自己紹介、いつ&なぜ眼鏡のデザイナーになりましたか?

大学卒業後に4年間の家電デザイナーを経て鯖江に来ました。家電という住環境を快適にする製品をデザインしていく中で、より「人に寄り添ったプロダクトをデザインしたい」と思うようになったのがきっかけです。興味の対象が人に寄り添う製品から身に着ける製品になり、そこから眼鏡にたどりつきました。以前から機能美が好きで、人の繋がりにも恵まれていたということも相まって眼鏡デザイナーになりました。

デザインをする上で心掛けていること、逆にしないようにしていることは?

まだまだ眼鏡について知識不足なので、今はとにかく情報・知識を吸収していきたいと思ってます。色んな引き出しを持っておけるようにしたいので、眼鏡以外のモノもよく観察するようにしています。あとは楽しむこと。これが一番重要な気がします。

どのような想いを持ってsenseについてのデザインをしているか。

JAPONISM senseは2016AWから日本的なモノ・コトをアイデアソースにデザインしています。ブレのない軸と様々な視点を持って、senseらしさを感じてもらえるデザインを目指しています。

今年のiOFTで発表するJS-124,JS-125,JS-126についてこれはどういう経緯で商品企画を進めたか。

今年のiOFTで発表するJS-124、JS-125、JS-126は、先輩の山根と進めた企画で「書」を共通のコンセプトとしてデザインしています。書道は筆を使って文字を表現する古来の伝統芸術ですが、調べていくうちに書と眼鏡はどちらも実用として使いながらも個を表現できるものという共通点があることに気づきました。書という文化を眼鏡を通して表現したいと思ったのが、今回のコンセプト「書」の発端です。書の世界で文房四宝と呼ばれる筆・墨・硯・紙をメガネのデザインに落とし込みました。

これからどんなメガネを作って、どんなことを伝えていきたいか。

漠然とした表現をすると「カッコイイ、キレイ、この眼鏡ずっと使っていたい」と言ってもらえるメガネづくりですね。つくりの丁寧さや繊細さ、その時代の流行、そして良い掛け心地すべてを実現できていないと感じ取ってもらえないことだからこそ挑戦したいです。

狩山晃輔
1985年 京都府京都市生まれ
2012年 京都精華大学 デザイン学部 プロダクトデザイン学科 卒業
2016年 (株)ボストンクラブ入社